しし座流星群日記

1999年11月17日〜11月18日

静岡県 伊豆・爪木崎


・11月17日(水)
 ややゆっくり目、9時に目を覚ます。今日の集合は13時秋葉原なので少しゆっくりだ。
 去年のしし座流星群は3人だったのだが、今年は8人。夏の浄土平に続いての参加者が多いので、みんなのシュラフを積んでいかなければならない。もちろん酒も欠かせないので冷蔵庫を降ろすわけには行かない。僕の車は8人乗りのノアなのだが、望遠鏡、双眼鏡、シュラフ、冷蔵庫、マットを積むと5人乗りになってしまう。
 11時過ぎに家を出る。早く着きすぎることを心配したが、思ったよりも道が混んでいて、秋葉原に着いたのは12時50分頃。ちょうどいい時間だ。
 ここで拾うのは女王様1号、3号、6号。端から見れば、ハーレム状態なのだろうが、その実体は....いや言うまい。
すでに女王様たちは昼食を済ませているので、僕は運転しながらドトールのホットドッグをほおばる。
 次の集合場所は熱海16時半。道の混雑を想定して少し所要時間を長めに見ている。本町から首都高にはいるが、今だかつて経験したことがないほど首都高はガラガラ。秋葉原を出てから30分もかからず東名に入ってしまう。いくら何でもこれじゃ早すぎる。当初の予定では東名−小田原厚木道路−真鶴道路経由のつもりだったが、時間調整のため厚木から平塚方面へ向かい、西湘バイパス経由で真鶴道路に出ることにする。
 こちらのルートも実にスムーズ。良く晴れた湘南の海を左手にちょっとしたドライブ気分だ。おまけに助手席、後部座席には3人もの女......女王様。
 結局15時過ぎには熱海へ到着。ここでは女王様2号、初参加の女王様見習い1号(現時点では最年少)の到着を待って出発の予定。ここで女王様1号とS嬢が入れ替わり、先発隊として先に現地入りし、場所取りをするのだ。後発隊はさらにじいやとめしつかい2号の到着を待ち、レンタカーで爪木崎へ向かうことになる。
 女王様2号の到着時間は16時20分。今回は不参加の予定だったのだが、他のメンバーが盛り上がっているのに我慢できず参加することになった。まだまだ時間があるので喫茶店で時間をつぶす。喫茶店を出て駅へ向かうとちょうど女王様2号が到着したところだ。なんだかだんだん雲行きが怪しくなってきた。天気予報ではちょうど日付が変わるころに曇って来るという話だったがちょっと早い。果たして今晩は大丈夫なのか?
 続いて女王様見習い1号到着。びっくりするくらい軽装。そんなんで大丈夫か?どうも星を見るときの寒さを僕がうまく伝えられなかったらしい。こんなこともあろうかと女王様1号がたっぷりと防寒具を持ってきていたのでまぁ何とかなるだろう。
 何はなくとも温泉。6人で熱海駅前温泉に向かう。ところが今日はおやすみ。途方に暮れていると、すぐそばに観光案内所があった。ひまそうなおじさんにお風呂に入れるところを紹介してもらう。入浴割引券ももらった。門構えはきれいだし、宿の人の対応も良かったのだが、どうもお風呂はあまりきれいでない。洗い場のお湯も出が悪い。早々に風呂を出て休憩室で女王様たちを待つ。湯冷めする可能性があるので頭は洗っていないはずなのだが、なかなか出てこない。しばしWorkPadC3の四川省で暇つぶし。
 15分ほど待って女王様たちが出てくる。しばし休憩していよいよ先発隊は出発。すでに18時。外は真っ暗。空はどんより。不安な思いを胸に一路爪木崎へ。
 伊東を過ぎたあたりでぽつぽつと雨が降り始めた。おいおい、勘弁してよ。女王様たちも心なしか言葉が少なくなる。いい加減におなかが空いてきたが、伊東を過ぎるとあまり食事を出来るところがない。そうこうしているうちに雨足は強くなり、ほこりで汚れていたフロントウィンドウがすっかりきれいになる。すかさず女王様3号の嫌みが飛ぶ。そうこうしているうちに女王様見習い1号が車に酔ってしまったようだ。あちゃー、運転が荒すぎたかな。
 車はやがて爪木崎への分岐点に。曲がってしまうといよいよ食べられなくなるのでさらに少し下田側へ行き、やっと見つけたすかいらーくへはいる。外はざんざん降り。これでは早く現地へ行っても仕方ないのでのんびりと食事をする。食事を終えてコンビニで夜食を仕入れているときに女王様見習い1号のケイタイが鳴る。電波状態が悪いのかすぐに切れてしまい、続けてこんどは女王様3号のPHSが。後発隊からの電話だ。もう爪木崎まで7Kmぐらいのところに来ているという。これはまずい。追い越されているかもしれない。これではじいやとめしつかい2号を見捨てて先発隊として出発した意味がない。あわてて出発。
 現地へ着いてみると、さすがに天気が悪いだけあってまだ車は2〜3台しか来ていない。後発隊の姿も見えない。なんとか面目は保ったようだ。とりあえず雨は小降りになったが、星が見えるような状況ではない。車の中で時間をつぶしていると5分も経たないうちに後発隊到着。間一髪だったようだ。
 しばらくすると雲間から月が顔を出してきた。女王様1号、めしつかい2号以外はまだ望遠鏡で月や星を見ていないのでとりあえず組立の楽なめしつかい2号の架台にBORGの鏡筒をのせる。BORGはおもちゃメーカーのTOMYが出している望遠鏡だが、意外にしっかりした作りで安いので天文ファンのサブ望遠鏡として使っている人が多い。目分量で極軸を合わせ、月を入れようとしたらもう雲に隠れていた。替わりに天頂付近に木星が顔を出している。気流の状態が悪く、とても模様が見える状況ではないが、木星の4つの月はなんとか見える。大急ぎでみんなに覗いてもらうが、あっという間に曇ってしまう。
 その後も何度も雲間から出たり入ったりしていたが、やっと雨が完全にあがったような雰囲気になってきたのでマットを敷いて宴会の準備。酒瓶を並べたところで巡回のパトカーがやってくる。爪木崎は須崎の御用邸の先にあるので一晩中パトカーが巡回しているのだ。基本的にここは夜間立入禁止になったとのことだが、流星群を見に来た旨を告げると、飲酒運転をしないように釘を差されただけで追い出されることはなかった。免許証を確認する際に例によってこのメンバーの関係を聞かれたが、うまく説明できずうやむやに。やはり説明書でも用意しておくべきか。ちなみに、女王様1号は僕の高校の時の友達のイトコの友達。めしつかい2号は音楽関係の友達の会社の同僚。女王様見習い1号はMidnight Telephoneのお客さん。他は皆女王様1号の通信関係の知り合いだ。とてもいっぺんでは説明できない。
 パトカーが駐車場を出ていくとほとんど同時にまた雨が降り出す。仕方なく車の中で宴会を始めることにする。
 今回は失敗してもいいようにすべて4合瓶で5種類の酒を持ってきた。ここに女王様たちが持ってきた酒が加わり全部で6種類。これだけあれば何種類かは女王様たちのお眼鏡にかなうだろう。最初はちょっぴり口を開けてしまった郷の誉・純米吟醸、これは大好評。続いて女王様たちが持ってきた岩手川・本醸造生貯蔵酒。ちょっと香りが弱いが味は良い。じいやは半年前までまったく酒が飲めなかったはずなのに最初から飛ばしている。いまだにあまり呑めないめしつかい2号もなんだか飛ばしている。心配したとおり、居眠りをはじめてしまう。
 少し晴れ間が出てきたので外へ。雲の切れ間からしし座群とおぼしき流れ星が見え、みんなが歓声を上げる。木星・土星も顔を出してきたので18cm反射のほうも組み立てることにする。大急ぎで木星・土星・すばる・オリオン座の大星雲・ペルセウス座の二重星団を見せるが、また雨がぱらついてくる。やむなく鏡筒だけはずし、架台のほうはポリ袋をかぶせ、しばし雨ざらし。
 再び宴会を再開。次々と酒を開ける。神亀・ひこ孫純米吟醸にごり酒の栓を開けたとたんに炭酸の泡が大噴出。あまりの吹き出し方に呆然として身動きが出来ない。我に返った女王様が袋を探し出し、瓶を入れるが時すでに遅し。車のシートは酒びたし。あ〜あ、レンタカーなのに。それでもめげずに酒をあけまくる。独楽蔵・純米吟醸、純米大吟醸・おんな泣かせはあまり女王様方のお気に召さないようだ。最後のとっておき米鶴・純米大吟醸・亀の尾を取り出す。これは今までに何度も呑んでいるし、女王様1号のお墨付きももらっている。ところがあけてみるとちっとも香りがしない。あれ?どうしたんだろう。味もまるで水みたいでおいしくもまずくもない。杜氏が変わっちゃったんだろうか?
 その後、何度か星が出たり雨が降った利を繰り返したが、3時頃完全にベタ曇りになってしまったのであきらめて寝ることにする。僕の車は機材でいっぱいなので、酒臭いレンタカーのほうを片づけて8人で寝る。むちゃくちゃ不自然な体勢で寝にくいが女王様方はしっかりと寝息を立てている。じいやは時折外を見て空の具合を確かめている。僕もやがて睡魔に負けていく。
   


しし座流星群日記・2日目
星のページ
Home