星日記

2001年8月24日〜8月27日

福島県 浄土平


・8月24日(金)
 前回浄土平へ行ってからまだ1ヶ月。またまた浄土平へ。
 今回はいつものメンバーのはずが、なかなか都合が会わず結局今晩は僕と女王様1号とその会社の同僚の女性Nさんの3人だけ。明日さらに音楽関係の友人N氏、S氏の2名が合流する。
 女王様たちは福島駅まで新幹線なので今回は一人で東北道を走る。
 さすがに8月も終わりに近い平日となると道路は空いている。福島駅での待ち合わせは15:44、福島まで4時間と踏んで11時半に出発したもののあまりのハイペースにちょっと拍子抜け。福島西インターまでの最後の福島松川P.A.に到着したのはまだ14時。さすがに早すぎるのでここでしばし時間をつぶすことにする。
 とりあえずメールをチェックしようと思いiBookを取り出したところでふと異常に気が付く。熱い!。スリープ状態にして置いたはずが勝手に目が覚めてしまったらしい。開いてみるとすっかり固まっている。
 まずい!バッテリーは大丈夫だろうか。バッテリーチェックスイッチを押すと、最後のひとつのLEDが点滅している。これはまずい。ほとんど上がっている。とりあえず再起動をかけてみるが立ち上がる途中で液晶のバックライトが切れてしまった。どうやら完全に空になってしまったらしい。
 なんとも先行き不安だが、幸いこの車には100Vの電源が付いている。とりあえず再充電をすることにする。
 ガソリンがもったいないが現地に着くまでにそこそこ充電しておかないと厄介だ。休憩中もエンジンをかけたままにする。
 今回は新兵器の超高感度ビデオカメラの画像を録画するためにiBookの前にメインで使っていたPowerBook(こちらはバッテリー2連装で実力で8時間ぐらい稼働できるため)も持ってきている。とりあえずそちらでメールチェック。浄土平ではPHSの電波は届かないためこれが最後のメールチェックになる。
 1時間ぐらい時間をつぶして出発。しかしまだほとんど充電はできていない。果たしてどこまで充電できるだろうか。
 福島駅に到着したのは15:30、まだまだ時間があるので駅前の駐車場に入れてしばらく待機。
 定刻通りに到着した女王様ご一行をピックアップし、一路浄土平へ。
 福島駅西口から浄土平までの道は極めて簡単。ひたすらまっすぐで磐梯吾妻スカイラインに直接入れる。
 しかしスカイラインに近付くにつれなんだか雲行きがあやしい。女王様の話ではNさんは強力な曇り女だそうだ。九州から上京して1年、いまだに富士山を見たことが無いという。
 心配していたとおり、スカイラインにはいると一気に濃いガスに突入。視界は20m程度。かなり運転がきびしい。もともとこのスカイラインはガスりやすいところでしょっちゅうガスの中を走ることになるのだが今回は久々にひどい。中間地点の不動沢橋にさしかかったがまるで橋が途中で無くなっているようだ。このまま別世界に行ってしまったりして。
 いつになく慎重に運転し、なんとか無事に吾妻小屋に到着したのは17:00を少し回った頃。ほぼ予定通りだ。

 管理人の遠藤さんの話では今日はあと二組、しかしそのうちの一組は悪天候のため途中で断念したとの連絡が入り、夕食のテーブルに付いたのは僕たちと山屋さんのご夫婦のみ。聞けばご夫婦はもう明日は帰るだけと言うことなので一緒に星を見たいとのこと。とりあえず、夕食が終わって晴れていたら一度小舎のそばの駐車場で望遠鏡を出すことにする。
 今日の夕食は豚肉の生姜焼き。これは珍しい。ここの小舎で肉類がメインの料理は今までに記憶がない。ご夫婦は喜んでいたが、いつもなら奥さんのオリジナリティーあふれる料理が出てくるのでちょっぴり残念。しかしおいしいことに変わりはない。あいかわらず副菜類もたっぷりとあり、すっかり満腹。デザートにはなんとメロンが。本当にここは山小屋なのか?
 食事後外に出てみると霧雨のような状態。夏場は夕方雨が降っていても夜が更けると晴れてくることが多いので、しばしご夫婦と会話しながら時を過ごす。なんだかご主人はけっこう望遠鏡にも詳しいご様子。小さい望遠鏡なら持っているという。
 すでにNさんは御就寝。やがて消灯の21時が来て、ランプに灯がともる。

 しばらくランプの明かりの中で会話をしていたが、ふと外に出てみると雲間から星が顔を覗かせている。これは良い兆候だ。この時間に晴れ間が出てくると、夜中過ぎぐらいにすっきりと晴れることが多い。準備をして駐車場に向かうことにする。僕は望遠鏡のセッティングがあるので一足先に駐車場へ。
 駐車場に着くと明るい星が2つ3つ見えている。今回持ってきている望遠鏡はリストにある明るい星が1つでも見えていればセッティングが可能だ。問題は星が少ししか見えていないとその星がどの星だかわからないのだ。
 しかし望遠鏡を設置したとたん、今まで見えていた星がかげってしまった。ほどなくご夫婦到着。まぁ、気長に星が出るのを待とうと言うことになった。しばらくして女王様到着。
「あれ?Nさんは?」
眠いのですっきり晴れたら呼んで欲しいとのこと。それまで寝ているそうだ。
 しばらくするとまた星が見えてきた。しかしその星が何だかはわからない。とりあえず双眼鏡を取り出し、天の川のあたりを見る。薄い雲がかかっているがそこそこに星が見える。
 そうこうしているうちにまた明るい星が見えてきた。どうやらわし座のアルタイル(彦星)のようだ。これならセッティングできる。さっそく望遠鏡のそばに戻りセッティングを始めるが、望遠鏡に彦星を導入する間もなく再び曇ってしまった。その後もいくつかのリストにある星が見えてきたが、そのたびにセッティングが終わらないうちに曇ってしまう。困った天気だ。ちょうどアンドロメダ星雲のあたりだけ晴れているので双眼鏡でご夫婦に見せる。しかしなかなかとらえられないようなのでセッティングは出来ていないもののとりあえず望遠鏡で見てもらう。しかしこの天気では望遠鏡は倍率が高すぎてよく見えない。そこで望遠鏡のファインダーで見てもらうことにする。これなら双眼鏡の片方で見ているのとほぼ同じだ。
 なんだか南のほうで時折雲が光っている。カミナリだろうか。そしてついに雨が。さほどひどくないのでとりあえず望遠鏡にポリ袋をかぶせ晴れるのを待つ。
 しばらくしても晴れてこないのでご夫婦は小舎に引き上げる。僕たちはもう少し粘ることにするがいっこうに晴れてこない。雨はあがっているのだが何となくガスが下がってきているようだ。小舎のあたりはガスがかかっていても浄土平のレストハウス前の駐車場は晴れていることも良くあるのでちょっと偵察に行こうと言うことになった。これで見られそうだったら一度引き返してきてNさんを呼んでこよう。
 しかしレストハウス前の駐車場に着いても星は見えない。それどころか雲が厚くなっているような気がする。時計を見ると1時過ぎ。これは今夜はダメだ。あきらめて小舎に戻ることにする。
 明日は晴れるだろうか。ちょっぴり不安を抱きながら眠りにつく。
 



星日記・2日目
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