中国日記

1999年9月22日〜9月30日



・9月29日(水)
 このホテルでの最後の朝食。
 ようやく顔を覚えてくれたのか、係のおねーさんがいろいろ話しかけてくる。
「See you tomorrow.」
 ごめんよ。今日で終わりなんだ。
 朝食を終えるとチェックアウト。今回は毎日ネットにつないでいたので結構電話代が高く付いた。

 いろいろと打合せや帰国後の指示をしているうちに昼食の時間。
 今晩は香港泊まりなので夕食は中華だろうと言うことで和食にする。あまり食欲が無いのでラーメン。

 あわただしく挨拶をして港へ。いよいよ中国ともお別れだ。
 現地のスタッフが港まで送ってくれる。本当に彼には世話になった。
 フェリーの切符を買い、少し時間があるので土産物をあさる。この港には香港へ向かう国際線と国内線があるのだが、国際線の免税店にはありきたりの土産物しかない。国内線側のほうがローカルな土産物が多い。
 扇子やビデオCDは定番だが、ほかは怪しげなものばかり。本も売っているが、平積みされた小説に混じってなぜか生産技術なんたらという技術書が置いてあった。こんなところで誰が買うというのだろう。
 ふと、珍しいものが目に入った。
 AiErKang(愛*康、*の字は日本にない漢字なので書けない)というそれは透明なビニール袋に黄色い液体が入っている。説明を見ると蓄熱材のようだ。
 興味ありそうだと見たのか、店員が話しかけてくる。中に入っている金属片をどうにかすると温まると言っているようだ。どうしようかと迷っていると、店員はいきなり見本の金属片をプチッとやってしまった。
 おいおい、いいのかよ。そんなことして売れなかったらどうするんだ。
 黄色い液体はみりみる不透明になり、さわってみると50℃ぐらいになっている。肩に当ててみると気持ちよさそうだ。1回しか使えないんじゃちょっともったいないな。と思いつつ、ついつい買ってしまった。50元だから日本円では600円強。高いなぁ。

 フェリーでは来たときとまったく同じ番組を流している。なんだ、ビデオだったのか。それにしてはCMも流れる。エアコンのCMでは9匹、11匹、13匹と3種類の製品を宣伝している。この匹というのはいったい何の単位なのだろうか。

 香港に着き、タクシーでホテルへ向かう。実は歩いていける距離なのだそうだが、荷物があるのでタクシーで行くそうだ。街には建国50年の垂れ幕が。そうか、もう香港は中国なんだなぁと改めて実感する。
 道路はむちゃくちゃな渋滞。まったく車が進まない。その上一歩通行が多いのでなんだか何度も同じところを十手いるような気がしてしまう。やっとたどり着いたのは30分もした頃だろうか。
 チェックインでは他のメンバーはMr.と呼ばれていたのに僕だけは先生と呼ばれる。うむむ、在日中国人だと思われたのだろうか。まぁ、僕の名前では無理もないのだが。日本からは仕事のFaxが届いていた。げげ。
 部屋はやたらと豪華だ。Faxやパソコンまである。ほんとにこの値段でだいじょうぶなんだろうか。パソコンがあっても英語版なので何の役にも立たないが。他にはEthernetの端子まである。どうもここからインターネットにつなげられるらしい。しまった、Ethernetカードも持って来るんだった。
 30分ほどしてボーイが荷物を持ってきたので、夕食に出ることにする。他のメンバーに聞いてみると、パソコンなんて無いという。あれ?どうしてだろう。

 最後は豪華にやろうと言うことで、聘珍樓(へいちんろう)へ行く。日本の聘珍樓は周富徳が総料理長を務めていたことで有名。
 聘珍樓といえば、なんと言っても北京ダック。日本では高くてとうてい食べられないので思い切って頼んでみる。ほかにも次々と料理を頼んでいくと、もう充分だと店の人に止められた。まだチャーハンを頼んでないのになぁと思いつつ、まぁ、あとで頼めばいいかと思い直す。
 料理が来る間、サン・ミゲルを飲む。あれ?中国で飲んだのとは全然違うぞ。ほんとに同じビールなのかなぁ。しっかりとした味わいがあってとてもおいしい。

 北京ダックがやってきた。
 目の前でパリパリに焼かれた皮の付いた肉を薄くそぎ落とし、皿に盛る。残った肉はさっさと持って行かれてしまったが、それでも3人で食べるには結構な量だ。餃子の皮を厚くしたような皮に肉とネギ、たれ(甜面醤ベースか?)を包む。普通はこれを2〜3個ありがたく食べるのだろうが、これだけでおなかがいっぱいになってしまうほど食べた。うーん、もう一生分食べてしまったかも。
 他の料理もおいしい。衣笠茸の炒め物はシャキシャキした食感がなんとも言えない。あとは何を食べたかも忘れるほど食べまくった。
 最後に挽肉のレタス包みが出てきた。頼んでないはずだがサービスのようだ。これもとてもおいしい。
 すっかり満腹して、一人あたり4000円弱ですんだ。安い。

 10月1日からは中国は建国50周年のため会社が休みになる。明日は中国にいる日本人が一斉に帰国する日なので午前中の飛行機がとれなかった。14:45香港発なのでだいぶゆっくりだ。チェックアウトの12時までホテルでのんびりすることにする。本当なら遊びに繰り出すところだろうが、3人とも疲れ切っているのでさっさとホテルに引き上げる。
 Faxの返事をメールで送ったりしてからTVをつけてみる。NHKも映るように書いてあるのだがさっぱり映らない。仕方ないので香港の番組を見ながらビールを飲む。なんだか明日は日本だという実感がわいてこない。それにしても疲れたなぁ。


キコクマデ・アト0ニチ+1ニチ


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