台湾日記・初日

2001年9月11日〜9月13日



・9月11日(火)
 昨夜から関東地方に接近してきた台風15号。進路は予想よりも東よりのコース、いよいよ成田のあたりも暴風圏に入ってきそうだ。台湾のそばには台風16号もいて予断を許さない。果たして無事に飛行機は飛ぶのだろうか。
 今回は台湾は2泊なのだが帰国後続けて大阪出張が入っている。そのため帰りは関空だ。次に家に戻ってくるのは土曜日になる。
 成田までの電車が遅れることも考え、少し早めに家を出るが、これが意外にも順調。定刻の7:55には成田へ到着。
 チェックインカウンターは信じられないほどガラガラ。どうもJRが遅れているらしい。
 出国手続きに向かうと3人ぐらいしか並んでいない。今回から出国カードが不要になったのが功を奏したのか今までの混雑がうそのようだ。これからはもう少し遅くに来ても大丈夫そうだ。
 結局成田へ到着してから20分ほどで搭乗ロビーまで来てしまった。いつもならシャトルで搭乗ゲートまで向かうのだが、今回のゲートは1階のフロア。どうやらバスで飛行機まで行くようだ。国内線でならバス移動も経験あるが国際線では初めてだ。風向きの関係だろうか。
 それにしてもまだ8:30にもならない。あまりにも時間があまる。会社に飛行機が飛ぶと言うことを知らせようと思いい、iBookを取り出すが、H”は圏外。そういえば前回もダメだったっけ。暇つぶしにあちこち歩き回っていたが、ふと外を見るとものすごい横殴りの雨が降っている。本当に大丈夫なのか?
 しばらくうろうろしていると館内放送が。
「EG201にて台北へお越しのお客様。本日はバスにて飛行機までご案内いたします関係上、少々お時間がかかります。9:15より搭乗をご案内させていただきますのでお早めにE70搭乗ゲートまで起こしいただけますようお願い申し上げます。」
 おお、思ったより時間をつぶさないで済む。それにしても今回も人が少ない。台風のせいでまだ到着できてない人が多いのだろうか。
 時間が来てすし詰めのバスで飛行機へ。飛行機はかなり遠い。所々すごい水たまりだ。水しぶきが上がり、バスがすべる。そこかしこから悲鳴とも歓声ともつかない声があがる。成田もこうしてバスで走るとなかなか新鮮だ。
 5分ぐらい走ってようやくバスは飛行機に到着。たまたま雨は小降りになっていたが猛烈な風の中タラップに走る。
 やはり飛行機は空いていて僕の隣は誰もいない。なんだか飛行機が風にあおられて揺れている。なんだか不安はつのるが夕べ充分に寝ていないのであっという間に意識を失う。
 ふと気が付くともう飛行機は滑走路。飛び立ったとたんに雨雲の中に突入。機体は激しく揺れる。この揺れがいつまでも続くのだろうかと心配になり始めた頃飛行機は雲の上に出た。上は青空だ。窓の向こうは白い雲と青い空の境目が地平線のように見える。安心したと同時に再び眠りの中に。
 ベルト着用のサインが消えたらしく、あたりが騒々しくなる。たまたま僕の席は配膳所(とでも言うのだろうか?)のすぐ脇なのでスチュワーデスの声が良く聞こえるのだが、今日はまた一段とうるさいのが一人乗っているようだ。ひたすらにしゃべりまくっている。「あー、うるさいなぁ」と思いつつも眠気には勝てずまたしても夢の中へ。
 ふと、目を覚ますとすでに飲み物のサービスが始まっている。なぜか中国語で話しかけられる。スチュワーデスに中国語で話しかけられるのはこれが初めてではない。なぜだろう。そんなに日本人に見えないのか?
 飲み物を飲み終わるか終わらないかのうちにもう昼食だ。メニューは牛肉の竜田揚げか小エビのかき揚げ丼。睡眠不足の胃にはどちらもあまり食欲をそそらないが仕方がない。かき揚げを頼む。
 さっさと食べきって再び就寝。いつもはなかなか寝付けないのに今回はやたらとよく眠れる。時折夢の中でスチュワーデスのおしゃべりを聞いたような気がするが。

 ガツンというショックで目を覚ますと何てこったい!もう着陸してしまった。時計を見るとほとんど定刻通り。台風を心配した割にはどうと言うこともなかった。
 入国審査の列に並ぼうとしたら奥の方の窓口に誘導された。まだ誰も並んでいない。僕が並んだにもかかわらず係員はおしゃべりを続けている。咳払いをしてパスポートを差し出すとようやくこちらを向いた。
 荷物も比較的早く出てきて着陸後15分ぐらいで外に出てしまった。迎えの車もすぐに見つかり目的地へ向かう。
 台北へ向かう高速道路も非常に空いていて異常に早く目的地に着いてしまった。まだ現地時間で14時前。日本との時差が1時間だから成田を発ってから5時間足らず。家を出てから成田を発つまでが4時間強であることを考えると何だか複雑な気分。
 今日の仕事も滞り無く終了。一旦ホテルにチェックインし夕食へ。
 今日は台湾料理の店へ。メニューは豚の角煮、麻婆豆腐、麻婆茄子、小蝦の塩焼き、空芯菜の炒め物、筍と木耳のスープ。チキンスープで炊いたごはん、そして言わずとしれた台湾ビール。
 角煮は日本のものよりもややかたいが皮付きでぷりぷりしている。やはり距離が近いこともあり沖縄の角煮に似ているが味付けはやはり八角が利いた台湾風。麻婆豆腐、麻婆茄子はほとんど辛くない。味付けも薄味だ。日本や大陸で食べるものよりもずっとさっぱりしている。スープの筍はとても筍とは思えない食感。なんだか梨をかたくしたような感じだ。日本の筍とは種類が違うのか、それとも掘った時期が違うのか。
 充分に満腹し、ホテルに帰る。まだ9時だが早くも眠気がおそってきたのでおとなしく風呂に入って寝ることにする。
 寝る前にメールチェックがてらインターネットに接続すると飛び込んできたのはアメリカの世界貿易センターに飛行機がつっこんだニュース。あわててTVを点けるとどの局も一斉に現実とは思えない映画のような光景を映している。信じられない!
 食い入るようにTVを見つめているうちにもう12時。明日は遠出するのでもう寝なくては。


2日目へ続く...



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