台湾日記・初日

2001年3月14日〜3月16日



・3月14日(水)
 今日の飛行機は成田10時半発。なので朝が早い。2時間前に成田に着くには6時23分発の電車に乗らなければならない。毎度のことながら成田は遠い。それにしても成田での手続きがもう少しスムーズならもう少しゆっくり出られるのだが。
 台湾は2度目。今まで出張した国の中では台湾はいちばん気楽に行ける国だ。2泊3日と短い出張なのだが今回はあまりにも忙しくて仕事で使うWindowsのノートにメール環境を移す時間がとれなかった。背中にはPowerBookとWindowsノートを2台背負う羽目になってしまった。さすがにちょっと重い。
 こんなに朝早いのにやはり伊勢崎線の準急は座れない。牛田までの37分は立ちっぱなしだ。幸いにも京成の特急では座ることができたのでしばし一眠り。

 成田に着いてびっくり。カウンターの前にはすでに長大な行列。中に入りきれず手荷物検査の外にまで行列が長々と続いている。何なんだ、こんな平日に!こんなにひどいのは一昨年の台湾出張以来だ。あの時は夏休みの月曜だったから仕方なかったけど。20分ぐらいでやっと入り口までたどり着く。と、何故か係員のオバサンに英語で話しかけられた。おいおい、日本人に見えんのか?
 中に入ってからもいっこうに列は進まない。やっと発券が終わるとこんどはX線検査の行列。これまた折り返していてどこが末尾なのだかよくわからない。当然ながら出国審査も行列。結局搭乗ターミナルにたどり着いたのは搭乗開始の10分前。やれやれ。
 やっと席に着いたものの、なかなか飛行機は動き出さない。離陸時刻を20分ほど過ぎた頃にやっとアナウンスが。
「登場予定のお客様が定刻を過ぎてもお越しになりません。」
ちっ、また馬鹿な野郎を待つのか。迷惑な話だ。
「保安上の理由により、すでに当機に搬入が終わっておりますお客様のお荷物を搬出する作業に入りました。この作業には10分ほどかかります。」
な、何だと?待たないのか?普通チェックイン済ませていたら待たないか?保安上の理由?爆弾か??犯人は逃げたのか?機動隊は突入するのか?
い、いかん。疲れているのか妄想がとめどなく駆けめぐる。
 そうこうするうちにようやく飛行機は離陸。一路海上へ...と思ったら再び陸地が。ん?九十九里じゃないか。何で引き返してくるんだ?飛行機はその後も延々と海岸線に沿って飛行。ふと気が付くと眼下には江ノ島が。こんなルート初めてだ。
 その後も浜名湖、紀伊半島、四国と通過してやっと海上へ。その間ほとんどが海岸沿い。うーん、不思議なルートだ。

 台湾までの飛行時間は3時間強。ほとんど沖縄へ行くのと変わらない。ほどなく飛行機は台湾の中正国際機場へ。
 今回のメンバーは僕の他に部長ともう一人。入国審査で部長だけ別の列に並んだのだがこの列だけまったく進まない。担当のオバサンの作業がとてもトロい上に、一人終わるたびに嫌そうな顔で行列をにらんでいる。僕の列は30前の女性で、こちらも無愛想だが作業はてきぱきしている。そう言えば、僕が行った国の中の入国審査官では成田が最も若い女性が多い。
 空港からはリムジンで今回の訪問先へ。空港から台北までの風景はなんだか一昨年とずいぶん変わっている。ますます日本と雰囲気が似てきている。高速道路の防音壁やランプの形が日本に似ているのもその感覚を助長する。時々目に入る派手なデザインのお寺だけが台湾を主張している。

 訪問先に月曜日から来ているもう一人のメンバーと合流し、3時間ほどのミーティング。その後、先方の社長さんたちと海鮮料理屋へ。前回の台湾では台湾料理らしいものをあまり食べなかったので楽しみだ。
 蝦、豚肉、アサリほどもある巨大なシジミ、スズキなどどれもさっぱりしていておいしい。ピータンは他ではまったく味わったことがないぷりぷりとした食感だ。味付けはどれも比較的薄く、脂っぽさも無い。いくらでも食べられそうだ。紹興酒もくどさや臭みが無く、これもいくらでも飲める感じだ。
 たまたま僕は社長さんの隣に座らされたため、次々に酒や料理を勧められる。さすがにだんだん胃がしびれてきた。まずい。食べ過ぎだ。
 最後に麺が出るという。ビーフンか日本風のラーメンがあるそうだ。うーむ、悩む。ビーフンも捨てがたいし台湾のラーメンも一度食べてみたい。今、台湾では日本風のラーメンがはやっているそうだ。部長はせっかくだから両方食べると言う。勢いで僕も両方頼んでしまった。ああ、食えるのか?
 ビーフンは今までに食べたことがない細さ、それに中華スープが良く絡む。ラーメンの方はやや太めの麺の東京ラーメン。こちらは可もなく不可もなし。しかしちゃんと日本のラーメンになっている。まぁ、わざわざ台湾に来て食べるならビーフンだな。量がさほど多くないこともあり、気が付くと完食してしまった。

 パンパンにふくれた腹をさすりながらホテルにチェックイン。今回の宿は来来大飯店。やや古いホテルだが、部屋はとても広い。
 荷物を部屋に置き、みんなで買い物にでる。今回のホテルから台北の駅までは歩いて10分ぐらい。日本の5月ぐらいの陽気のなかをのんびりと歩いて行く。
 最初に入った店は秋葉原のラジオデパートのようなビル。パソコンパーツの小さい店がぎっしりと入っている。Macに使えそうなパーツもあるので今度来るときはちゃんと調べてくるとしよう。
 次に入った店はCD屋さん。台湾では海賊版と正規版が同じ店に同居している。日本の歌がブームだそうで、正規、海賊ともにたっぷりと置いてある。正規版が1000円ぐらい、海賊版が400円ぐらいだ。正規版は完全に日本のものなのでかなりお買い得だ。ただ、品揃えは妙に偏っている。ビデオCDのコーナーがあるところは日本と違うが日本以外ではビデオCDはとても普及しているのでそれも当然か。
 一番奥に行くとクラシックのコーナーを発見。作曲家名も演奏者もすべて漢字なので慣れるまではさっぱりわからない。ふと手に取った厚めのケースをよく見てびっくり。カール・ベーム/ウィーン・フィルのモーツァルト交響曲全集だ。10枚組で約6000円。しかもグラモフォンの正規版。これは安い!しかし、僕はすでにモーツァルト交響曲全集は持っているのでほしがっていた部長に譲ることにした。僕はマーラーを買って帰る。帯こそ中国語だが、中身は解説も含めてすべて英語。日本で輸入盤を買うのと変わらない。これで1000円なのでよく考えるとそれほど安くないのかもしれない。

 歩き回っているうちにすっかり腹もこなれ、酔いも醒めてしまった。ホテルに帰り、メールチェックをし、風呂に入っているうちにすっかり目が冴えてしまった。疲れがたまっているので早めに寝ようとしたのだがいっこうに寝付けない。どうもこのホテルは防音が悪いらしく、隣や上の部屋の気配がはっきりと伝わってくる。おまけにどこからともなくディスコのビートが響いてくる。
 うー、眠れない。じたばたしているうちに2時になってしまった。これはいけない。仕方なくミニバーのバーボンを飲む。ミニボトルを空けるとようやく眠気がおそってきた。やれやれ。
 こうしてやっと眠りについたのだが、この時バーボンを飲んでしまったのが後々大変な結果の引き金になるとはまだ知る由もない。


2日目へ続く...



台湾日記・2日目
温泉・旅
Home