2002年の星空
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2002年の主な天文現象をご紹介します。
1月
・1月1日
木星が衝
木星が地球にもっとも接近し観測の好機です。日没後の東の空に明るく輝いている星が木星です。ほぼ一晩中見ることが出来ます。
・1月4日 明け方
しぶんぎ座(りゅう座)流星群
時々1時間に100個ぐらいの出現がある流星群です。
北東の空、北斗七星の柄のそばから放射状に流れます。
一般にしぶんぎ座流星群と呼ばれていますが、現在しぶんぎ座という星座はありません。
現在はりゅう座の一部ですが、りゅう座というのは非常に大きい星座であるため、わかりやすいようにしぶんぎ座流星群と呼ばれています。
しぶんぎ座流星群は8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並んで3大流星群のひとつに数えられていますが他の二つと違い、この流星群はピークがきわめて鋭いためこの日以外はほとんど見ることが出来ません。
今年は満月に近い月があり観望の条件は悪いですが、空が澄んだところで月明かりを避けるように見ればかなりの流星を見ることが出来るでしょう。
・1月23日 22:29
●新月
・1月25日 1:56〜2:23
土星食
東京と長野を結んだ線よりも南西側で土星が月に隠されます。それより北東側では月が土星の下側を通過していくことになります。土星全体が月に隠されるのは横須賀と小松を結んだ線の南西側です。高度が低いので西側が開けたところで見ると良いでしょう。
・1月29日 7:50
○満月
2月
・2月12日
●新月
・2月21日 夕方
土星と月が並ぶ
月と土星、アルデバラン(おうし座の1等星)がぎりぎり双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。
・2月23日
木星と月が並ぶ
月と木星がぎりぎり双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。
・2月27日 18:17
○満月
今年最大の満月です。月の軌道は真円ではないのでけっこう地球との距離が変わります。この日の満月は今年で一番地球に近い満月です。
3月
・3月14日 11:03
●新月
・3月15日 夕方
金星と月が並ぶ
月と金星が双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。とは言えこの日の月は月齢1.3、糸のように細いため注意しないと見えないかもしれません。日没30分後の真西の地平線近くに明るく輝く金星を双眼鏡の視野に入れ、少し左側に動かせば視野に入って来るでしょう。
・3月18日 夕方
火星と月が並ぶ
月と火星が双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。
・3月20日 19:44(東京)
土星食
関東以北で土星が月に隠されます。この半年の間に3度もあった土星食の最後です。小田原あたりが南限です。
・3月22日 21時ごろ
木星と月が並ぶ
月と木星が約1度の間隔に近付きます。双眼鏡のみならず20倍ほどの望遠鏡でも同じ視野に入るほどの近さです。
・3月29日 3:25
○満月
4月
・4月13日 4:21
●新月
・4月14〜15日 夕方
金星と月が並ぶ
月が金星の左側を通過していきます。と言っても一番そばを通過するのは15日の朝方、太陽よりあとから昇ってくるので見ることは出来ません。それでも14日、15日の2日間、日没後の西の空でぎりぎり双眼鏡(7倍)の同じ視野にはいるほど近付きます。
・4月16日 夕方
火星、土星と月が並ぶ
火星と土星が月を挟んで並びます。しかも火星と月、土星と月はそれぞれ7倍双眼鏡の同じ視野に入ります。土星の方はおうし座の1等星、アルデバランも一緒です。
・4月17〜18日 夕方
5惑星と月が1列に並ぶ
上から木星、月、土星、火星、金星、水星が一直線に並びます。
・4月19日 夕方
木星と月が並ぶ
月と木星が双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。
・4月22日 19時ごろ
こと座流星群極大
1982年には1時間に100個もの大出現を見せた流星群ですが、それ以降活発な出現は見せていません。今年のピーク予想は19時ごろですが輻射点のこと座が北東の空に昇ってくるのは22時頃、大出現が続くのは1〜2時間のため日本から見るのは難しいかもしれません。
・4月26日 12時ごろ
おとめ座流星群極大
出現数は非常に少ないですが、明るい流星が多く活動期間も長いのが特徴です。
・4月27日 12:00
○満月
5月
・5月6日
みずがめ座η(えーた)流星群極大
みずがめ座η流星群は10月のオリオン座流星群とともに、あのハレー彗星を起源にもつ流星群です。ハレー彗星が長い年月をかけて軌道上にばらまいたチリが地球に落ちて来るものです。残念ながら北半球ではあまり見やすい流星群ではないのですが、南半球ではペルセウス座流星群に並ぶ流星群だと言うことです。明け方の東の空から放射状に流れますが、今年は輻射点のすぐそばに月があり、あまり良い条件ではありません。しかし、明るい流星が多く、今年は振り替え休日でまだGW中と言うこともあるのでちょっと夜更かし(早起き?)してみるのも良いでしょう。
・5月10日 夕方
火星と金星が並ぶ
火星と金星が約0.3度まで接近。肉眼ではほとんどひとつに見えてしまいます。ぜひ望遠鏡で見てみましょう。
・5月12日 19:45
●新月
・5月15日 夕方
5惑星のそばを月が通過する
大集合している木星、土星、火星、金星、水星のそばを月が通過します。
・5月16日 夕方
木星と月が並ぶ
月と木星が双眼鏡の同じ視野に入るほど近付きます。今回はかなり近いので低倍率の望遠鏡(20倍程度)でも同じ視野に見ることが出来ます。
・5月26日 20:51
○満月
この日は半影月食でもあります。半影月食の時、もし月面に立って太陽を見ると太陽が部分的に地球に隠された状態になっています。そのため月が地球の影にはいると入っても真っ暗になるわけではなく、うっすらと暗くなる程度です。しかも、今回は月が全部地球の影の中にはいるわけではありません。始まりと終わりもよほど気を付けていないとわからないでしょう。19:13に始まり22:54に終わります
6月
・6月4日 夕方
金星と木星が並ぶ
金星と木星が約1.7度まで接近。双眼鏡の視野に楽々入ります。
・6月11日 朝
部分日食
日本全国で部分日食が見られます。グアム島の少し北側にあるテニアン島では金環食になるのですが残念ながら日本ではもっとも欠ける沖縄で半分ぐらいです。東京では6:42分にかけ始め8:45に終わります。もっとも欠けるのは7:40です。南西の地区ほど時間が早く、北東ほど遅くなります。目を痛めないようにくれぐれもご注意下さい。サングラスや写真用のNDフィルターは目を守る効果はありません。天文ショップでで売っている日食グラスやすすをまぶしたガラスなどを使いましょう。それらが手に入らない場合は穴を開けた紙で影を作ってみましょう。穴から漏れた光が欠けた太陽の形になるはずです。穴の大きさは影を作る距離にもよりますが、とりあえず鉛筆を使って開けた穴で試し、状況に応じて調整してみると良いでしょう。木漏れ日も欠けた太陽の形になりますのでそれを写真に撮っても面白いと思います。
・6月11日 8:47
●新月
・6月21日
夏至
一年で最も昼が長い日です。
・6月25日 6:42
○満月
7月
・7月3日 明け方
水星と土星が大接近
低倍率の望遠鏡の同じ視野に入るくらい水星と土星が接近します。ただし、東の空のとても低いところなので東側の地平線付近がよく開けたところでないと見ることができません。日の出の30分ぐらい前(4時頃)が見頃でしょう。
・7月9日 明け方
土星、月、水星が並ぶ
3日の大接近以来徐々に土星と水星は離れてきていますが、この日は土星と水星の間に細い月が割り込みます。月と土星は双眼鏡の同じ視野の中におさまります。
・7月10日 19:26
●新月
・7月13日 夕方
月と金星が並ぶ
夕方の西空に月と金星が並びます。おまけにこの日はしし座のレグルスもすぐそばに。この3つがすべて双眼鏡の同じ視野におさまります。
・7月24日 18:07
○満月
・7月25日 明け方
土星がかに星雲をかすめる
土星がおうし座のかに星雲(M1)のすぐそばをかすめるように通過します。ほとんどかに星雲の中に突入するような状況なのでもちろん望遠鏡でも同じ視野に入ります。ただ残念なことに3時ごろの高度は10度ほどしかないので東の地平線がよく開けたところでなくては見ることができません。
来年の1月5日には再び同じ現象が見られます。この時はとても見やすい条件となります。
かに星雲は1054年に爆発した超新星のなごりです。そのときの状況は藤原定家の名月記にも書かれています。昼間でも見ることができたようです。かに星雲は現在でも膨張を続けています。
8月
・8月5日
月と土星が接近
明け方の東の空で月と土星が接近。その間隔は約4度。双眼鏡で同じ視野に入れることが出来ます。
・8月8日
月と木星が接近
明け方の東の空で月と木星が接近。その間隔は約3度。双眼鏡で同じ視野に入れることが出来ます。ただし、かなり低空なので見づらいかもしれません。月もかなり細いです。
・8月9日 4:15
●新月
・8月12日
金星と月が接近
夕方の西の空で金星と月が接近。その間隔は約6度。双眼鏡でぎりぎり同じ視野に入れることが出来ます。
・8月13日 明け方
ペルセウス座流星群極大
ペルセウス座流星群は毎年安定して出現する流星群のひとつで、全天では一時間に50個以上の流星が流れます。今年は月明かりもなく絶好の条件です(とは言え、昨年のしし座流星群とは比べるべくもありませんが)。出現のピークは鋭くないので前後数日間はかなりの数の流星が見られます。
・8月23日 7:29
○満月
・8月31日
金星とおとめ座のスピカが接近
夕方の西の空で金星とおとめ座の1等星スピカが大接近。その間隔は0.9度。月の直径の2倍以下です。スピカは1等星ですが、金星はー4.4等。100倍もの明るさの違いがあります。いつもなら十分に明るいスピカも形無しです。
9月
・9月2日 明け方
月と土星が接近
明け方の東の空で月と土星が接近。その間隔は約3度。双眼鏡で楽々と同じ視野に入れることが出来ます。
・9月5日 明け方
月と木星が接近
明け方の東の空で月と木星が接近。その間隔は約5度。7倍ぐらいの双眼鏡で同じ視野に入れることが出来ます。
・9月7日 12:10
●新月
・9月10日 夕方
金星と月が接近
夕方の西の空で金星と月が接近。その間隔は約6度。7倍の双眼鏡でぎりぎり同じ視野に入れることが出来ます。
・9月21日 22:59
○満月(中秋の名月)
・9月26日 夕方
金星が最大光度
この日金星は-4.6等星となります。この明るさなら位置さえわかれば昼間でも見ることができます。空の真っ暗な場所な金星の光で影ができると言われています。
10月
・10月5日 明け方
月と火星が接近
明け方の東の空で月と火星が接近。7倍ぐらいの双眼鏡で同じ視野に入れることが出来ます。
・10月6日 20:18
●新月
・10月9日
ジャコビニ流星群極大
気まぐれな出現で有名なジャコビニ流星群ですが、今年は元となる彗星が遠いので大出現は期待できません。明るい流星も少ないのですが、ゆっくりと流れる姿は特徴的です。
・10月11日 明け方
火星と水星が接近
明け方の東の空で火星と水星が大接近。その間隔は約3度。双眼鏡の同じ視野に楽々と入れることが出来ます。が、高度が低く、日の出(東京で5:43)の30分前ぐらいが目安です。火星はこの時期あまり明るくないので肉眼では難しいでしょう。
・10月21日 16:21
○満月
・10月22日
オリオン座流星群極大
ハレー彗星を母彗星に持つ流星群ですが、出現数は1時間に10個程度と地味な流星群です。おまけに今月は満月に近い月があり条件は最悪です。明るい火球が多いのが攻めての救いか。
11月
・11月5日 5:34
●新月
・11月13日
おうし座(北)流星群極大
おうし座流星群は1時間あたりの流星数は少ないものの1ヶ月以上にわたる長い活動期間が特徴です。1時間あたりの流星数はピーク時でも10個程度ですが火球が多く見栄えがするのが特徴です。
・11月19日 13:30、19:30
しし座流星群極大
昨年日本で大流星雨を降らせたしし座流星群は今年も大出現が予想されています。しかし残念ながら予測されている2つのピークのうち片方は昼間、もう一方はまだしし座が地平線の下なので日本では見ることが出来ません。13:30のピークはアフリカで、19:30のピークはアメリカが好条件と言われています。しかししし座流星群は明るい流星が多いのが特徴です。たとえ流星雨は見られなくとも明るい火球のいくつかは19日、20日に見られることでしょう。
・11月20日 10:34
○満月
・11月22日 明け方
月と土星が接近
明け方の東の空で土星と月が大接近。その間隔は2.6度と双眼鏡の同じ視野に楽々と入れることが出来ます。この時期土星は最も環が開いた状態となり、望遠鏡で見ると絵に描いたような環を楽しむことが出来ます。
・11月26日 深夜
月と木星が接近
深夜の東の空で月と木星が大接近。その間隔は約6度。7倍ぐらいの双眼鏡の同じ視野にぎりぎり入れることが出来ます。
12月
・12月2日 明け方
月と金星、火星が並ぶ
明け方の東の空で月と金星、火星が一直線に並びます。しかも月と金星、金星と火星はそれぞれ双眼鏡の同じ視野にはいるほど近づきます。
・12月4日 16:34
●新月
・12月6日 明け方
火星と金星が大接近
明け方の東の空で火星と金星が大接近。その間隔は1.5度と双眼鏡はもちろん低めの倍率の望遠鏡ならの同じ視野に入るほどです。
・12月14日
ふたご座流星群極大
しし座流星群ほどの派手さはありませんが、ふたご座流星群は1月のしぶんぎ座流星群、8月のペルセウス座流星群とともに毎年安定した出現を見せる流星群です。条件が良ければ1時間に50個程度の流星を見ることができます。活動のピークがあまり鋭くないためこの日を挟んで数日間は楽しめます。この時期ふたご座はほぼ一晩中地平線の上にあるため、観測時間も自由に選べるのが魅力です。今年は大きな月が邪魔をしますが2時過ぎに沈んでしまうので夜半過ぎに見るのが良いかもしれません。
・12月18日
土星が衝
衝というのは惑星、地球、太陽が一直線に並ぶ状態を言います。この時惑星と地球が最も接近する位置関係になることになります。おまけに衝の時期はほぼ一晩中地平線の上になるため、まさに見頃といって良いでしょう。
土星は軌道に対して傾いた状態で太陽の周りを回っているため地球から見た輪の開き具合は年々変化していきます。土星が太陽の周りを一週する周期は約30年のため、輪の傾きも30年周期で変化します。ちょうど今年は最も我が開いた状態となっており、最も見栄えのする状態といえるでしょう。このあとだんだん輪は閉じ行き、7年半後には真横から見る状態になります。土星の輪はとても薄いのでその前後は地球からは輪が見えなくなってしまいます。
・12月20日 4:10
○満月
・12月30日 10:43〜
火星食
昼間ではありますが、火星が月に隠されるという珍しい現象が福岡以北で見られます。昼間と言っても火星は明るいため望遠鏡を使えば十分に見ることができるでしょう。食が始まるのは東京・大阪が10:43、仙台10:37、札幌10:26です。福岡ではちょうどかすめていく感じになり、最も接近するのが10:53です。
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