台湾日記

1999年7月26日〜8月3日



・7月25日(日)・出張前日
 前日はすでに不吉な前触れがあった。
 すでにこれがないと日常生活や業務に重大な障害をきたすようになったWorkpad C3の液晶が割れてしまったのだ。
 とにかく出張中仕事にならないのでC3に買い換えるまで使っていたPalm Pilot Proの復旧にかかる。
 なにしろメモリー8MのC3から2MのPilotに移すので作業は困難を極める。なんとか使えるようになったときにはすでに日が暮れていた。
 結局、出張の準備もままならず、適当に衣料品や日常品、書類などをスーツケースに詰め込み明日に備えて寝ることにする。

・7月26日(月)
 成田11時発なので朝が早い。6時半ぐらいには家を出なければならない。
 もしかしすると昨日のことは夢では?と思い恐る恐るC3のケースを開いては見たものの、やはりそこには無惨に割れたC3の姿があった。
 駅までの道をスーツケースを引きずりながら歩くと自治会長の奥さんに声をかけられた。世間の人は普段から朝が早いんだなぁと実感する。僕は平日でも8時ぐらいまで寝ているのに。

 まさかこの時間なら座れるだろうと思っていた東武伊勢崎線だが甘かった。
 準急に乗り換えると、すでに座席はいっぱい。立っている人もかなりいる。そのうち空くだろうと思っているとどんどん混んでくる。いったい世間の人は何時から仕事をしているんだろう。
 牛田で伊勢崎線を降り、京成の関屋へ。駅名こそ違うが、ここは狭い道路を挟んで真向かい。前回(と言ってももう4年以上前だが)の海外出張の時、上野で京成に乗り換えようとしてあまりの通路の長さにまいってしまったので今回は別経路にした。
 青砥で特急に乗り継ぎ、空港第2ターミナル駅へ。
 結局空港までの2時間半、最後まで立ちっぱなしだった。

 他の出張メンバーと落ち合いチェックインしようとすると、すでに長い行列ができている。この時点で9時。まだ離陸までには2時間。
 列はいっこうに進まない。やっとカウンターにたどり着くまでに30分以上。やはり世間は夏休みなんだなぁと実感。本当は僕も今頃夏休みなんだが。トホホ。
 搭乗券が発行されると今度はX線検査。これがまた異常なくらい長い行列。途中で折り返しているのでいったいどこが末尾なのかよくわからない。チェックゲートを抜けたときにはすでに10時。いいかげん足が痛い。
 当然のことながら出国審査も長い行列。やっと出発ロビーにたどり着いたのは、もう10時20分。出発前あまりにもごたごたしていたので買い忘れていた台湾の案内本でも買おうと思っていたのだが、まったく時間無し。すぐに搭乗が始まる。

 飛行機はエコノミーなので席はとても狭い。飛行時間は沖縄便とほとんど変わらないのでまぁ何とかなるだろう。それよりも家を出て4時間、ついに座れたのがうれしい。すでにふくらはぎは痙攣寸前になっている。
 出発時間が過ぎてもなかなか飛行機は動こうとしない。どうも滑走路上でタイヤがパンクした飛行機がいるようだ。
 消防車や救急車が遠くを走ってる。おいおい、C3も壊れたしこの出張はいったいどうなるんだ?

 やっと動きだした飛行機の窓から後の方を見ると、順番待ちの飛行機が列をなして並んでいる。成田っていつもこんなもの?それともトラブルがあったからこんなに詰まっちゃったの?
 着陸してきた飛行機がまだ滑走路にいるんじゃないか?と思われるほど間髪を入れずに僕の乗ったEG203は滑走を始める。ちらりと滑走路の先の方に飛行機がいるのが見える。ううむ。
 なんとか無事に離陸、巡航高度に達すると飲み物とおつまみ。飲み終わってうとうとしかけたところ今度は昼食。眠る間もなく着陸態勢へ。ほんとに台湾は近い。
 覚悟してはいたものの、入国審査は長い列。
 やっとの思いで外に出ると、もう迎えの人が来ていた。

 「あれ?あまり日本と変わらないじゃん。」
 だれとも無く声が漏れる。むしろ那覇空港に初めて降りたときよりも違和感がない。それほど暑くもない。
 目的地(東海岸の某所)までの車の窓から見える風景も遠目には日本と変わらない。外壁の塗装がはげたままほったらかしになっているビルが多いのが日本と違うくらい。
 出発前にほとんど情報を仕入れてこなかったので目的地が台湾のどの辺だかもよくわからない。機内誌の地図を見ると台北から直線で50Kmぐらいだったので1時間半ぐらいかとたかをくくっていたのだが、それが大きな勘違いだとのちに思い知らされる羽目になる。

 1時間以上過ぎた頃、ここはどの辺か?と訪ねたら台北だと言う。あれ?台北ってそんなに広いの?
 台北空港の正式名称は中正国際空港で、実は台北から60Km近く離れた桃園(タオユェン)にあることにこの時初めて気が付く。台北にも飛行場マークがあったのですっかり勘違いしていたのだ。こちらは松山空港という国内線用の空港だった。
 まあ、それでも台北からあと50Kmならもう1時間半ほど辛抱すればいい。
 車はトヨタ車なのだが海外専用モデル(あるいは台湾製?)で、座席がとても堅い。ランクルを商用車風にした感じ。インドネシアに出張していたときに見たキジャンというインドネシア・トヨタ製の車にそっくりだ。
 いいかげんお尻が痛くなってきた頃、車は休憩のためガソリンスタンドへ。
 あとどのくらいかと聞くと、2時間ぐらいとのこと。
 え?どうしてそんなにかかるの?
 どうも、地図で道だと思っていた線は鉄道で、そこには道がないらしい。車は大きく山を迂回しているようだ。

 道沿いには色とりどりの蛍光灯を放射状に並べた店がやたらにたくさんある。檳榔(ピンロウ)という眠気覚ましのような怪しいものを売っているらしい。
 こんな感じ。色は店によってみなちがう。

 店の名前も怪しげなものばかり。姉妹檳榔と言うのは何カ所か見た。
檳榔などというものもある。さて、これはなんと読むでしょう?ヒントは日本の人気アニメです。

 目的地の街は思っていたよりもずっと大きな街。セブンイレブンもあちこちにある。ホテルもきれいだ。現地の人に案内され、夕食をとりに日本料理屋へ。
 ちょっと怪しげなうな丼と刺身、イカフライなどを食べる。刺身はおいしいが他は中途半端に日本食していていまいち。台湾ビールはなかなかおいしい。

 宿に戻り、会社から借りてきたノートパソコンを電話線につなぎメールチェック。
 あれ?変なメッセージが...

 モデムは他のダイアルアップネットワーク接続または他のプログラムが使用中です。
 他の接続を切断するか、プログラムを終了してから、やり直してみてください。


 おいおい、何も使ってないぞ。ためしに常駐ソフトを片っ端から切っても再起動してもだめ。
 明日Windowsに詳しい人に聞くことにして、あきらめて寝ることにする。
 やれやれ、前途多難。



キコクマデ・アト7ニチ

キョウマデニコワレタモノ
WorkPad C3
ノートパソコンのモデム


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