2001年9月11日〜9月13日
何だか夜中に何度も目が覚めた。
時計を見ると9時少し前。夕べは風呂に入らずに寝てしまったのでシャワーを浴びて朝食に行く。朝食は10時までなので少し急がないと。
今日は何だか少し腹の具合がおかしい。3月に来た時にしじみでやられて大変な目にあったので少し不安だ。しかし腹は減っている。とりあえず今日はお粥にしよう。アジアのホテルはたいていお粥があるのでこう言うときは助かる。
朝食を終えて荷造りをしちょっと横になって一眠り。エアポート・リムジンは12時に予約してあるので11時40分ぐらいにチェックアウトすれば良いだろう。
チェックアウトカウンターで予約を確認しようと思い日本語を話せるかと聞いたところダメだという。仕方無しに怪しい英語で「12時に車を予約してあるんだけど、ここで待ってればいいか?」と、言ったようなことを聞いてみた。しかし、
「車を予約するのか?」らしきことを言っている。焦れば焦るほど通じない。まったく何でこんなに英語が話せないのだろう。
結局、料金の明細書に出ているリムジンの項目を指さして説明したらやっと通じた。
すると、もう車は来ているので乗れと言う。
なんだかばたばたと台北を出発。市内は異様に空いている。このままでは早く着きすぎてしまう。さすがに窓の外の景色も見飽きてきたのでiBookを取り出し資料の整理を始める。
高速道路に入り、20分ほど走った頃だろうか、突然運転手が後ろを向いてなにやら英語で話し始める。またも通じない。全然聞いたこと無い単語(というより略号)を叫んでいる。さっぱりわからないのでひたすら首を横に振っているとあきらめたようで「OK」と言ってまた走り始めた。すると突然の渋滞。うーん、どうやら「この先が渋滞しているので高速を降りるか?」と聞いていたらしい。そんなこと言われても答えようがない。
失敗だったかなぁと思っているうちに、すぐに渋滞は解消してしまった。降りなくて良かった。
結局12時半ぐらいには空港に着いてしまった。
飛行機は15:05発。カウンターに行くとまだ前の飛行機のチェックイン中。2時間前ぐらいにならないとチェックインは始まらないだろうと思い、先に昼食を摂ろうかと思ったがさすがに朝が遅かったので食欲がない。カウンターのそばの待合所で一休み。
10分ぐらいした頃、ふと裏側のカウンターにも人が並んでいることに気が付いた。そちらに行ってみると、そこではもう僕が乗る便のチェックインが始まっているではないか。またずいぶん早く始めるものだ。
今回は台湾は2泊だが、そのあと大阪で2泊になるので荷物が多い。いつもの台湾だと機内に持ち込むぐらいのに持つしかないのだが、今回はスーツケースを預ける。テロ事件があったのだからチェックがきびしいかと思いきや、難なく通過。売店、レストラン、出国審査のある2階へ。
ここにあるレストランは中華のカフェテリア、洋風カフェテリア、中華と日本風の麺類などがある店の3軒だ。麺類でも食べようかと思ったがどうも何だか勝手がわからなそうな店だ。今日はとことん言葉が通じないのでちょっと躊躇してしまう。結局中華のカフェテリアに入り、肉の入ったパイ状の饅頭とチャーハン、烏龍茶を取る。レジに行くと380NT$、昨日の晩飯よりも高い。味もいまいち。やはり麺にするべきだったか。そう言えば香港の空港のチャーハンはうまかったなぁ。
なんだか食べ過ぎたようで胃が重い。急に動くと気持ち悪くなりそうだ。またまた3月の悪夢がよみがえる。とりあえず早く出国審査を済ませて休むとしよう。
出国カウンターもガラガラ。僕の前には3人ぐらい。なんだか今回はどこに行っても空いている。結局13時半ぐらいには搭乗ロビーへ到着。まだ搭乗までは1時間以上あるので免税店をぶらつき、会社などへの土産を見繕って時間をつぶす。
搭乗ロビーへ戻るとちょうどスチュワーデスの一団が入っていくところだった。
ん?なんか見覚えのある面々。げ!来た時と同じメンバーだ。あのひたすらやかましかった顔ぶれ(と言うか、本当にうるさかったのは一人だけだったような気もするが)だ。来た時は成田から、帰りは関空なのに同じメンバーなのか?いったいどんな風にシフトを組んでいるのだろう。
やがて搭乗開始のアナウンス。しかし、ここでいつもと違う一言が。
「なお、本日はお客様の手荷物を確認させていただく場合がございます。よろしくご協力下さい。」
ついに来たか。なんだか面倒くさいが仕方がない。沖縄の米軍基地なんかにつっこまれたらかなわない。
しかし、実際にはだれも荷物を開けられている様子はなかった。日本人、台湾人は対象外なのだろうか。
座席を探すとまたまた例の配膳所のすぐそば。やれやれ。
例のスチュワーデスは中国語を覚えたてらしく、台湾人らしいスチュワーデス相手にカタカナっぽい中国語で冗談を飛ばしている。やがて新聞を配り始めたが、台湾人相手にあろうことか、
「謝々ですぅ」なんて訳の分からないことをしゃべっている。追い、いったい何語をしゃべっているんだ。まぁ通じることは通じるんだろうけど。
定刻10分遅れで飛行機は離陸。やがてベルト着用のサインが消える。
おしぼりが配られ始めると、こんどは間髪入れずに飲み物が出てきた。それを飲み終わらないうちにもう夕食。時計を見るとまだ17時前。そうか!この飛行機は18時半には関空に着いてしまうんだ。うっかりしてた。あんな時間に昼飯を腹一杯食べるんじゃなかった。しかしこの飛行機の機内食はあまりおいしくないのでまぁ良いか。
ほとんど寝る時間もないのでアルコール類も断り、さっと一通り箸を付けて蓋をしてしまう。贅沢は言えないがもう少しまともな味にならんのだろうか。
やがて飛行機は関空へ。本を読んでいて気が付かないうちに着陸してしまった。お見事!
飛行機を降りるとシャトルに乗って入国審査へ。入国カードが廃止されているためここでもスムーズ。荷物が出てくるのは少し遅がったが何事もなく税関もパス。
で、今日のホテルはどこだっけ?所在地を調べてくるのを忘れてしまった。こんな時はH”でインターネットに接続できる日本はありがたい。インターネットで地図をダウンロード。
ホテルに最も近いのは日本橋。しかし2回乗り換えなければならない。ややそれより離れてはいるがなんばからでも行けるようだ。なんばなら南海線で1本だ。
じたばたしているうちに特急が行ってしまい、急行に乗る。急行だとなんばまで50分弱。関空から乗っているせいか、電車の中には中国語、韓国語(たぶん)が飛び交っている。そして、当然ながらそれ以外は関西弁だ。どうもまだ日本に帰ってきた実感がわかない。
そうこうしているうちに電車はなんばへ到着。ここでまずいことに気が付いた。いったいどっちに出たらホテルの方に出られるのかわからないのだ。地図ではなんばと日本橋を結ぶ間にあるので日本橋の方へ向かえば良いのだが、どこを探しても日本橋方面という文字は見つからない。東京ならば改札を出るとたいてい地図があるのだがそれも見あたらない。きっと関西人にしか見えないところにあるに違いない。
とにかく中をうろうろしていても始まらない。外に出れば地図にある目印が見えるかもしれない。地図では西の方へ出れば良さそうな雰囲気なのでとりあえず西側の出口から外に出る。
が、まったくそれらしい建物はない。道路も何通りだかさっぱりわからない。あとで思えばパソコンを開いて詳しい地図を調べれば良かったのだがパニックになっているのでただうろうろするばかり。
面倒くさくなってタクシーに乗り込んだがすぐそこだから歩いて行けと言っておろされてしまった。とりあえず方角を聞いて歩き始めた。
降ろされるのも当然だった。ホテルはタクシー乗り場からほんの2〜3分の所。こりゃ断られるわ。
ホテルの外には1泊の値段とともに「ショートステイ3時間」などという値段もある。おいおい、ほんとにビジネスホテルなんだろうな。
フロントでチェックインをすると、僕の部屋は別館だという。別館は無人なので部屋のカードキーを使って建物に入るらしい。ますます怪しげだ。しかし想像に反し、部屋はごく普通のビジネスホテル風。違うのはチェックアウト時に精算の必要をなくすため、冷蔵庫はなく1階にある自販機を使うようになっていること。そして電話が外線がかけられないようになっていることだ。まぁ、ここならH”の圏内なので電話が使えなくても問題はない。
とりあえず、会社に帰国の報告メールを発信。1階の自販機にはスーパードライしかないのでビールと明日の朝食を買いにすぐそばのコンビニへ。しかし、ここはアルコール類は置いていなかった。仕方無しに自販機でスーパードライを買い、飲みながら一休みしているとなんだか腹が減ってきた。無理もない。夕食は17時前だったし全部は食べていない。何か食べるものを探しになんばの街(後で聞くと、この辺はなんばではなく千日前だということだが)へ繰り出す。
この辺はなんだか「その手」の店ばかり。四方八方から斬りかかる呼び込みを斬り捨てやっとの思いでたこ焼き屋を発見。6個入りを買って部屋に戻る。包みを開けると7個入っていた。おまけしてくれたのだろうか。さすがに大阪のたこ焼きはうまい。あっというまに完食。もう少し多くても良かったな。
メールチェックなどをしていたらもう12時。明日もゆっくりだがどうも今回は疲れがひどい。風呂も朝入ることにして床につく。
2時間ほどうとうとしただろうか。何だか水が滴る音がする。どこか近くの部屋で蛇口を締め切っていないのかなぁと思いしばらく我慢していたがどうにも気になって眠れない。まさかと思いバスルームのドアを開けてみたらあろうことか、この部屋の天井から水が滴っていた。しかもおさまる気配もなくどんどんひどくなる。バスマットを敷いてみたが焼け石に水。たまりかねてフロントに電話した。
程なくやって来たホテルマンが天井を開けしばらくいじっていたがどうも治りそうもないらしい。空室を探しにいったんフロントに戻ったが今日はあいにく満室だという。とにかくこのままでは眠れないので何とかしろと迫ると、バケツとタオルをたくさん持ってきて天井裏に詰め始めた。
作業が終わりしばらく様子を見ていたが、なんとか我慢できそうだ。とりあえず明日部屋を換えてもらうことにして今日は引き下がることにした。
時計を見るともう4時半。いくら明日はゆっくり打と言ってもこれではあまり寝られない。しかもいすっかり目が覚めてしまった。しかたなしにもう一缶ビールをあおり、床につく。
それにしてもなぜ僕の海外出張はいつも何事か起こるのだろうか。
台湾日記・了