2003年の星空

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2003年の主な天文現象をご紹介します。


1月
 ・1月3日 5:23
●新月
 ・1月4日 明け方
しぶんぎ座(りゅう座)流星群
時々1時間に100個ぐらいの出現がある流星群です。
北東の空、北斗七星の柄のそばから放射状に流れます。
一般にしぶんぎ座流星群と呼ばれていますが、現在しぶんぎ座という星座はありません。
現在はりゅう座の一部ですが、りゅう座というのは非常に大きい星座であるため、わかりやすいようにしぶんぎ座流星群と呼ばれています。
しぶんぎ座流星群は8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並んで3大流星群のひとつに数えられていますが他の二つと違い、この流星群はピークがきわめて鋭いためこの日以外はほとんど見ることが出来ません。残念ながら今年のピークは午後1時頃と予想されているためあまり多くの流星は期待できないかもしれませんが邪魔な月明かりのない絶好の条件なのであきらめずに見てみると良いでしょう。
 ・1月5日 10:56
土星がかに星雲を通過
おうし座のかに星雲(M1)の中を土星が通過します。残念ながら通過するのは昼間ですが、4日の晩はかに星雲の左側、5日の晩は右側にほとんど接して見えるため、かなり高倍率の望遠鏡でも同じ視野に入れることができます。特に4日の夜は明け方にかけて徐々にかに星雲に突入していくところが見られます。
かに星雲と土星はあまりにも明るさが異なるため同時に写真に撮るのは難しいでしょう。
 ・1月18日 19:48
○満月
 ・1月28日 5時頃
火星と月、アンタレスが並ぶ
火星と月、さそり座のα星アンタレスが双眼鏡の同じ視野にはいるほど接近します。
アンタレスとは「火星と競う者」という意味で、時折起こるこの状態から名付けられたものと思われます。火星は8月の超大接近に向けて地球に近づきつつありますが、まだまだ距離があり現在はアンタレスよりも暗くなっています。
 ・1月29日 5時頃
金星と月が並ぶ
明け方の東の空に金星を追う様にして月が並んで昇ってきます。双眼鏡の同じ視野になんとか納めることができます。


2月
 ・2月1日 19:48
●新月
 ・2月1日 23:00
火星がアンタレスに再接近
火星とさそり座のα星アンタレスが再接近し双眼鏡の同じ視野にはいります。
火星は今年夏の超大接近を前に少しずつ地球に近づいており、だんだん明るくなってきていますがまだアンタレスの方がほんの少しだけ明るいです。再接近は23時ですが、さそり座は夏の星座のため明け方近くならないと東の空に上ってきません。
 ・2月2日 23:33
木星が衝
衝というのは太陽、地球、外惑星(地球より外側の起動を保つ惑星。火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星がこれにあたる)が(この順番で)一直線に並ぶ状態を言います。地球と木星は軌道面が傾いているため厳密には一直線になるというわけではありませんが。この状態の時地球と惑星は最も接近することになります。また、この時期は地球から見ると惑星がちょうど太陽の反対側になるため一晩中見ることが出来るのも特徴です。木星の場合はほぼ毎年1度衝になります。
冬は空気が澄んで一見星を見るのに適しているように思われがちですが、木星などの惑星を見るのにはあまり適した季節ではありません。冬の間は星が良く瞬いて見えますが、これは上空の空気が激しく動いていて星が微妙に揺れて見えるため起こるのです。明るい星を高倍率の望遠鏡で見てみると星が暴れ回っているのがよくわかります。冬場に初めて望遠鏡で惑星を見た人は模様がほとんどわからずにがっかりすることがありますが(ひどいときは土星の輪も判別できないぐらいになります)、それは望遠鏡のせいではありません。冬であっても気流の状態が良い日もありますし、また気流が悪い日でもほんの一瞬気流がおさまり星がぴたっと止まることがあります。ぜひ根気よく見ることをお勧めします。
衝以後もしばらくの間は観測好機が続きます。
 ・2月17日 8:51
○満月


3月
 ・3月3日 11:35
●新月
 ・3月6日
火星とM8,M20が接近
火星がいて座の散光星雲M8(三裂星雲)、M20(干潟星雲)と次々に接近します。最も接近するのはM8が6:00、M20が17:10です。残念ながらM20の時は火星は地平線の下です。
 ・3月11日 夕方
月と土星が並ぶ
月と土星が約2度の近さまで接近します。双眼鏡の同じ視野に楽々と入れることが出来ます。
 ・3月13日 3:47
金星と海王星が接近
地平線から上る直前の金星が海王星と角度で11分の近さまで接近します。これは100倍程度の望遠鏡でも楽々同じ視野に入ってしまう近さです。金星が地平線から上って(4時過ぎ)からもほとんどその間隔は変わらないので夜明け前まで楽しむことが出来ます。
 ・3月14日 深夜
月と木星が並ぶ
月と土星が約5度の近さまで接近します。双眼鏡の同じ視野に何とかはいる程度です。
 ・3月18日 10:35
火星とM22が接近
火星がいて座の球状星団M22と接近します。再接近は日の出後なので、明け方に見るのがよいでしょう。
 ・3月18日 19:35
○満月
 ・3月26日 明け方
月と火星が並ぶ
月と土星が約3.5度の近さまで接近します。双眼鏡の同じ視野にはいります。
 ・3月28日 22:04
金星と天王星が接近
今度は金星と天王星がなんと2.6分の近さまで接近します。残念ながら再接近時は地平線の下ですが、4時過ぎに地平線の上に上ってきたときもまだ充分近くにいますのでご安心を。


4月
 ・4月2日 4:19
●新月
 ・4月4日
木星とM4(プレセペ星団)が接近
木星がかに座のプレセペ星団のすぐそばを通ります。その間隔は1度以下、プレセペの大きさは約1.6度なのでほとんど木星がプレセペの一員になったような感じになります。但し、木星とプレセペは極端に明るさが違うのでちょっと見にくいかもしれません。次にこの現象が起きるのは12年後です。
 ・4月10日 19:30
土星とM1(かに星雲)が接近
1月に続き土星がおうし座のかに星雲に接近します。惑星は星空を背景に徐々にその位置を変えていきますが、「惑う星」と言う名が示す通り、ある時期いったん逆の方に進んでからまた元の方向に移動を始めます。ちょうど今回はその時期に当たっており、1月の接近は逆光、今回は順行しているときにかに星雲のそばを通りかかったのです。今回の接近距離は約20分、低倍率の望遠鏡で同じ視野に入ります。明るさの差が大きいため土星の輪とかに星雲を同時に写真に写すのは困難です。次回このような現象が見られるのは2062年になります。
 ・4月17日 4:36
○満月
 ・4月23日 1時ごろ
こと座流星群極大
比較的明るい流星が多く、痕を残すことも多い流星群です。この流星群は記録に残っている最も古い物で紀元前687年に中国で流星雨として記録されています。その後も何度か流星雨の記録があるのですが、最近は1時間に8個程度の出現にとどまっています。
 ・4月29日 明け方
月と金星が並ぶ
月と金星が約2.7度の近さまで接近します。双眼鏡の同じ視野にはいります。


5月
 ・5月1日 21:15
●新月
 ・5月6日 20時ごろ
みずがめ座η流星群極大
ハレー彗星を起源とする流星群です。残念ながら日本では輻射点が昇ってすぐに薄明が始まってしまうため観測できる時間が少なくあまり多くの流星を見ることが出来ません。しかし南半球では夏のペルセウス流星群並みの出現が見られます。
 ・5月7日 14:11
水星の日面通過
水星が太陽の前を横切ります。東京では太陽面にかかるのが14:11過ぎ、食が終了するのは日没後です。他の地域でもほぼ同じ時刻です。水星は非常に小さい天体で地球からだと太陽の150分の1程度の大きさにしか見えません。望遠鏡を使わないと見ることは出来ませんので肉眼で見つめたりしないようにしましょう。もちろん望遠鏡で見る場合はより危険なので直接覗いたりせず、投影したりすると良いでしょう。
 ・5月16日 12:36
○満月
アメリカ、ヨーロッパでは皆既月食となります。
 ・5月29日 11:30
月と水星が並ぶ
昼間ではありますが、月と水星が双眼鏡の同じ視野にはいるほど接近します。しかし水星の明るさでは昼間見るのは困難です。日の出まえの明け方(4時過ぎごろ)に見ると良いでしょう。この時間でも双眼鏡の視野に同時に入ります。おまけに金星も一緒。月はかなり細いので明るい金星を目安とする方が良いかもしれません。
 ・5月29日 14:01
金星食
昼間ではありますが、金星が月に隠されます。金星はとても明るいので場所さえわかっていれば昼間でも双眼鏡で見ることが出来ます。
 ・5月31日 21:15
●新月
アイスランドでは金環日食、ヨーロッパでは部分日食になります。


6月
 ・6月6日 20:45
しし座η星の星食
月がしし座η星(3.8等星)を隠します。東京では20:45に月の暗い側から隠れ、21:10に今度は月の明るい側から顔を出します。福島と新潟を結ぶ線より北では月がη星の下をかすめていく形となり星食にはなりません。東京より南ではより早い時間に始まり遅い時間に終わります。北ではその逆になります。
 ・6月11日 0:32
冥王星が衝
太陽から最も遠い惑星、冥王星が最も地球と近い位置関係となります。とは言え、小さい望遠鏡では形はおろか見ることすら出来ないのですが。。
 ・6月14日 20:16
○満月
 ・6月19日 11:30
月と火星が並ぶ
8月の超大接近を控え、ぐんぐん近づいてきている火星と月が低倍率の望遠鏡の同じ視野にはいるほど近づきます。その距離は1゜42’。この日の火星は再接近時の6割ぐらいの大きさです。
 ・6月23日 3:03
天王星と火星が再接近
天王星と火星が双眼鏡の同じ視野にはいるほど近づきます。その距離は約3゜。木星の外側を回る天王星は肉眼では見えない明るさのため望遠鏡で見るのもやっかいですが、火星がよい目印になるでしょう。
 ・6月30日 21:15
●新月


7月
 ・7月14日 4:21
○満月
 ・7月17日
月と火星が並ぶ
先月一旦接近した後遠ざかっていた火星と月が再び並びます。今回は双眼鏡の同じ視野に入る程度ですが、8月の超大接近を控え火星はぐんぐん近づいてきてます。すでに2年前の中接近時の大きさになりました。夜半過ぎぐらいからが高度も上がってきて見頃です。
 ・7月29日 15:53
●新月
 ・7月30日 明け方
みずがめ座δ流星群極大
夏の流星シーズンの先駆けとして、みずがめ座δ(デルタ)流星群が極大となります。一時間の流星数は10個程度です。ピークは鋭くないのでみずがめ座が昇ってくる前日の21時過ぎから明け方まで楽しむことが出来ます。


8月
 ・8月5日 21:27
てんびん座α星の星食
仙台以南で、てんびん座α星が月の背後に隠されます。てんびん座α星は2.8等星と5.2等星からなる二重星のため時間差で隠されます。月の暗い側から隠れていくため望遠鏡を使えば暗い方の星が隠れる様子も見やすいと思います。
 ・8月12日 13:48
○満月
 ・8月13日 8時ごろ
ペルセウス座流星群極大
毎年安定した出現のある流星群です。今年は残念ながら満月直後の月があるため暗い流星は見にくくなります。しかし、ペルセウス座流星群は明るい流星群が多いため、それでもかなりの数の流星を見ることが出来ます。また、ペルセウス座流星群は活動期間が長いため、月明かりの影響が無い1週間ほど前から観測するのも手です。
 ・8月24日 明け方
月と土星が並ぶ
明け方の東の空で月と土星が双眼鏡の同じ視野にはいるほど接近します。
 ・8月28日 2:26
●新月
 ・8月27日 18:51
火星が地球に最接近
火星が5万7千年ぶりという超大接近です。
地球は約2年2ヶ月ごとに火星を内側から追い越して行きます。この時火星は地球と最も近い位置関係になるのですが、火星の軌道は地球に比べて大きくゆがんだ楕円となっているため軌道上のどの位置で接近するかによって再接近距離が大きく異なります。今回は2月〜3月頃に接近する小接近の状態と比べると何と倍近い大きさに見えるのです。
5万7千年ぶりというと、次回はまた何万年も先かと思われるでしょうが、これが意外なことに2287年には今回を超える大接近となります。ぼぼ同じ程度の大接近と言うことであればなんと2050年に今回よりわずかに劣る程度の大接近があります。若い人なら今回見のがしてもまた次回見られる可能性がありますね。
再接近の当日だけでなく前後1ヶ月ぐらいは充分大きな火星を見られるのでチャンスのある限り観測してみると良いでしょう。
但し、火星を初めて見る人は過大な期待は禁物。火星は見慣れてくると小さな望遠鏡でも模様が見えますが、初めての場合は大きい望遠鏡を使っても大きな模様がやっと見える程度。しかも大接近でありながら火星自体はとても小さいので拍子抜けするくらい小さく見えます。


9月
 ・9月9日 21:49
月が火星に接近
月が火星の北、1゜15’の所を通ります。双眼鏡だけでなく、低倍率の望遠鏡であれば同じ視野に納めることが出来ます。シベリアでは火星食となり、月に火星が隠されます。
 ・9月11日 1:36
○満月(中秋の名月)
 ・9月26日 12:09
●新月


10月
 ・10月6日 23:55
月が火星に接近
月が火星の南、1゜3’の所を通ります。低倍率であれば望遠鏡の同じ視野に入る近さです。9月9日の時よりもわずかに今回の方が近くなります。ニュージーランドでは月の影に隠され火星食に。
 ・10月9日 5:00
ジャコビニ流星群極大
かつて流星雨を降らせた流星群ですが今回はほとんど期待できないでしょう。
 ・10月10日 16:27
○満月
 ・10月21日 22:00
オリオン座流星群極大
オリオン座流星群はハレー彗星を母彗星とする流星群で条件が良ければ1時間に20個程度の流れ星が流れます。翌日の2:50頃に月が昇ってくるのでそれまでの間が勝負です。
 ・10月25日 21:14
月が水星に接近
月と水星が37’の近さまで接近します。残念ながら新月直前のため太陽に近く、特別な装置なしで見ることは出来ません。
 ・10月25日 21:50
●新月
 ・10月27日 4:55
月が金星に接近
月が金星の南、4.6’の所を通ります。ほとんどかするような近さです。ハワイ、南太平洋、南米では月の影に隠れ、金星食 となります。


11月
 ・11月3日 18:05
月が火星に接近
月が火星の南、3゜6’の所を通ります。双眼鏡の同じ視野に楽に入ります。
 ・11月3日 23:00頃
おうし座流星群(南群)極大
エンケ彗星を母彗星とする流星群です。ピーク時でも1時間あたり10個程度とあまり流星の数は多くありませんが、明るい火球が多いのが特徴です。13日の北群までなだらかな活動を続けますので特に極大日にこだわる必要はありません。
 ・11月9日 10:13
○満月
 ・11月13日 6:00頃
おうし座流星群(北群)極大
3日に続き、同じエンケ彗星を母彗星とする流星群です。
 ・11月14日 4:09
月が土星に接近
月と土星が約5°まで近づきます。双眼鏡の同じ視野に入ります。
 ・11月18日 11:00
しし座流星群極大
1998年に大出現が見られてから毎年世界のどこかで大出現となり、日本でも2001年に流星雨を降らせたしし座流星群ですが、今年は目立った活動は予報されていません。しかし、流星群の活動はとても予測しにくいため、あるいは予想外の出現となるかもしれません。予報では次の大出現は2006年だそうです。
 ・11月19日 0:59
月が木星に接近
月と木星が4°まで近づきます。双眼鏡の同じ視野に入ります。
 ・11月24日 7:59
●新月
 ・11月26日 2:59
月が金星に接近
月が金星の南、約2°の所を通ります。双眼鏡の同じ視野に入ります。


12月
 ・12月2日 0:48
月が火星に接近
月が火星の南、4゜4’の所を通ります。双眼鏡の同じ視野に入ります。
 ・12月9日 5:37
○満月
 ・12月15日 3:00頃
ふたご座流星群極大
年間の3大流星群の一つです。毎年1時間あたり2〜30個の流星が安定して流れています。残念ながら今年は満月に近い月が輻射点のそばにあるため明るい流星以外は見にくくなってしまいます。
 ・12月23日 18:43
●新月
 ・12月23日 夕方
リニア彗星がM33星雲のそばを通過
来年5月に肉眼で見られる明るさになると言われているリニア彗星がさんかく座の系外銀河、M33 の南1.7°のところを通過します。この頃リニア彗星の明るさは8等と予報されているので肉眼で見ることはできませんが、双眼鏡であれば見ることができるでしょう。
 ・12月26日 0:50
月が金星に接近
月が金星の南、3°15’の所を通ります。双眼鏡の同じ視野に入ります。
 ・12月30日 15:50
月が火星に接近
月が金星の南、3°50’の所を通ります。双眼鏡の同じ視野に入ります。最も近づく時間はまだ昼間ですが、日没後でもそれほど離れる訳ではないので日が沈んでからでも良いでしょう。



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