2000年の星空

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2000年の主な天文現象をご紹介します。


1月
 ・1月4日 明け方
しぶんぎ座(りゅう座)流星群
時々1時間に100個ぐらいの出現がある流星群です。
北東の空、北斗七星の柄のそばから放射状に流れます。
一般にしぶんぎ座流星群と呼ばれていますが、現在しぶんぎ座という星座はありません。
現在はりゅう座の一部ですが、りゅう座というのは非常に大きい星座であるため、わかりやすいようにしぶんぎ座流星群と呼ばれています。
しぶんぎ座流星群は8月のペルセウス座流星群、12月のふたご座流星群と並んで3大流星群のひとつに数えられています。
今年は月明かりが無く、観望には良い条件なのですが、今年の極大は14:30ごろと20:00ごろなので、むしろ4日の夜のほうが多く見られるかもしれません。
比較的暗い流星が多いので、ちょっと地味かもしれませんが経路のとても長い流星がこの流星群の特徴なので、それなりに楽しめると思います。


2月
 今月はほとんどめぼしい天文現象がありません。
 日暮れ時の西の空に土星と木星が並んで見えているのが目立つことぐらいでしょうか。
 いちばん明るいのが木星、その次が土星です。
 実はそのずっと下に火星、水星も見えるのですが、火星はともかく水星を見るのはとても難しいのです。水星はその軌道が太陽に近いため、地球から見ると太陽から大きく離れることがないためです。地動説を唱えたことで有名なコペルニクスも水星を見たことがなかったそうです。
 あまり書くことがないので、今月から満月と新月の日もお知らせすることにしました。
 ・2月5日 22:03
●新月
 ・2月15日 夕方
水星、東方最大離角
とても見づらい水星を夕方の空に見ることが出来る数少ないチャンスです(とは言え、年に3〜4回あるのですが)。
しかし、その高度は日没直後で15度強。相当に気合いを入れて望まないと見るのは難しいでしょう。
なるべく西から南西の空が開けたところで見るのがよいでしょう。
 ・2月20日 1:27
○満月


3月
 今月はまったくおすすめの天文現象がありません。
 先月に続き日暮れ時の西の空に土星と木星が並んで見えているのが目立つことぐらいでしょうか。火星も2月にくらべるとずいぶん土星、木星に近づきました。上から順に土星、木星、火星です。木星は明るいのですぐわかると思います。その下の赤いのが火星です。
 3月9日には木星と火星の間に細い月が割り込みます。
 ・3月6日 14:17
●新月
 ・3月20日 13:44
○満月
この日は春分の日です。


4月
 いよいよ惑星シーズンも終わり。夕方の西空に火星、木星、土星が集合しています。そろそろ表面の模様を見るのはきびしくなってきました。しかし、4月6日にはそこに細い月が加わるので風景写真としてはおもしろい被写体になるでしょう。
 ところで新聞等でご覧になってご存じの方もいらっしゃると思いますが、仮面ライダーの星が誕生しました。愛媛県久万町の久万高原天体観測館職員、中村彰正さん(39)が95年9月と11月に発見した2つの小惑星がこのたび「仮面ライダー」「藤岡」として正式登録になりました。小惑星は発見者に命名権があるのです。ちなみに彗星や新星の場合は命名権はありません。その代わり彗星の場合は発見順に3名まで発見者の名前が彗星に付けられます。
 ・4月5日 3:12
●新月
 ・4月6日 夕方
月、火星、木星、土星が大集合
夕方の西の空に月、火星、木星、土星が大集合します。月は新月の翌日のためとても細いのですが、地球の照り返し(地球照と呼びます)で本来かけているはずのところが薄明るく見えますので、地平線のあたりに雲がなければすぐに見つけられるでしょう。日没後18:30ぐらいが見頃です。
 ・4月19日 2:42
○満月
 ・4月22日 14時ごろ
こと座流星群極大
こと座とは、あの織姫星のある星座です。こと座流星群は例年1時間に5〜10個と、比較的小規模な流星群なのですが、時々突発的に大出現することがあります。1982年には1時間あたり100個もの大出現が見られました。例年通りのピークは14時ごろと昼間なのですが、突発大出現があるとすれば、22日の明け方近くの可能性が高いそうです。


5月
 ついに夜空からほとんど惑星の姿が見えなくなってしまいました。肉眼で見える惑星がすべて太陽とほぼ同じ方向に集まってしまったからです。惑星観測のシーズンはしばらくお休みです。とはいえ、梅雨に入ってしまうと夏まで星そのものが見られなくなってしまいますのでいまのうちにたっぷりと星を見ておきましょう。GWもあることですし。
 ・5月4日 13:12
●新月
 ・5月6日 2時ごろ
みずがめ座η(イータ)流星群極大
あのハレー彗星がばらまいたチリが地球の引力に引かれて落ちてくることによる流星群です。日本では条件が良くないため1時間に10個ほどですが、条件の良いオーストラリアでは1時間に50個ほど流れるそうです。いちおうピークは6日の2時頃となっていますが、7日、8日のほうが多いこともあるそうです。見られる時間は1時ぐらいから明け方まで。今年はこの時間帯に観測のじゃまになる月がないので条件は最良です。東の空から四方に流れます。
 ・5月17日 17:30ごろ
金星・木星大接近
金星と木星がほとんど重なるくらいに接近します(と、言っても同じ方向に見えるだけで実際にはとても遠くにあるのですが)。その間隔はなんと角度で1分。これは視力1.0の人がかろうじて2つに見ることが出来る間隔です。金星も木星もとても明るいため、おそらく肉眼では完全に重なって見えることでしょう。ただ、太陽のごく近くで起こるため残念ながらその瞬間は見ることが出来ません。しかも日本ではその時間はすでに地平線の下に沈んでしまっています。見るとすれば15時ごろ望遠鏡を使って見るか、翌日の明け方、日の出直前に見るかです。17日15時の場合は間隔が10分、18日明け方の場合は20分ですのでこれでも充分に近いと言えるでしょう。かなり難しい対象ですが、望遠鏡をお持ちの方はチャレンジしてみてください。
 ・5月18日 16:34
○満月


6月
 今月はあまりめぼしい天文現象はありません。しかも梅雨入り。6月21日は夏至なのでたとえ晴れても一年でいちばん夜が短い1ヶ月です。強いて挙げれば水星と、かすかに可能性のあるポン・ウィンネッケ流星群でしょう。
 ・6月2日 21:14
●新月
 ・6月4日 夕方
水星を見るチャンス
何度か書いていますが、水星は地球よりはるかに内側の軌道をめぐっているため、太陽から大きく離れることはありません。なかなか見る機会が少ない惑星ですが、6月9日、太陽の東側に最も離れる位置関係になります。その状態でも水星の高度はとても低いためになかなか見つけにくいのですが、この日はたまたま日没後の西の空に細い月と並んでみることが出来ます。月自体もかなり細いので見つけにくいですが、めったにないチャンスですので西の空が開けたところで見てみましょう。日没は東京で18:55、19:30ぐらいが見やすいでしょう。水星は月のすぐ右側に見えます。
 ・6月17日 7:27
○満月
 ・6月26日〜27日
ポン・ウィンネッケ流星群
1998年6月27日夜、日本は突然1時間に200個もの流星群に遭遇しました。約6年の周期で太陽をまわっているポン・ウィンネッケ彗星がばらまいたチリによる流星群と見られています。1916年に初めて確認され(この時は1時間に30個程度)、その後、1921年、1927年には100個以上の出現が見られました。しかし、1930年に彗星が木星の引力の影響で軌道を変えてからはめだった活動を見せていませんでした。1998年に大出現したことにより、再び注目を集めています。本来はポン・ウインネッケ彗星が地球の軌道に接近した直後に出現する可能性が高いのですが、1998年はその条件には当てはまりません。そんなわけで、可能性は低いですが毎年注意しておく必要があるわけです。1998年と同じ条件になるのは今年の場合27日の午前10時ごろ、昼間であるばかりでなく、輻射点(流星がその方向から放射状に流れる)が地平線のしたにあるため見ることが出来ません。いろいろな条件を考えると、26日の夜半前と27日の夜半前が良いようです。見ている人も少ないと思いますので万が一大出現に遭遇すれば良い自慢話の種になると思います。え?僕?さぁ、職場を逃げ出せるかどうか。


7月
 今月のハイライトは16日の皆既月食。梅雨が明けているかどうか気になるところです。肉眼彗星になる可能性のあるリニア彗星も要チェック。
 ・7月2日 4:20
●新月
 ・7月16日 22:02
皆既月食
3年ぶりにして今世紀最後の皆既月食。20時58分にかけ始め、22:02に皆既となります。今回は月が地球の影のほぼ真ん中を通るため1時間47分と、とても長い皆既月食になります。23:49にようやく皆既が終わり、月食が完全に終わるのは0:54分です。日曜日なので観測には絶好のタイミングですが、最後まで見るとちょっと翌日に影響が出るかも。次回は2001年1月10日になります。
 ・7月26日
リニア彗星近日点通過
発見当初は肉眼彗星になると期待されていたのですが、どうもあまり順調に明るくなっていないようです。現在7等台。ぎりぎり肉眼彗星というところでしょうか。とは言え、彗星は突然増光することもあるので油断は禁物です。見える方向はこちらなど多数のホームページがありますので探してみてください。
 ・7月31日 11:25
●新月


8月
 今月のハイライトは毎年おなじみのペルセウス座流星群。今年は極大日は月がじゃましています。前日、前々日あたりの方が見やすいかもしれません。
 ・8月12日 19時ごろ
ペルセウス座流星群極大
夏と言えば流れ星。毎年毎年安定した出現を見せるペルセウス座流星群ですが、今年は3年に一度のはずれ年。満月に近い月が明け方3時近くまで夜空を照らし、暗い流星をかき消してしまいます。写真も長時間の露光はむずかしいです。もっともペルセウス座流星群は明るい流星が多いのでそれでも見るだけならばかなり楽しめるでしょう。
ペルセウス座流星群は活動期間が長く、ピークもそれほど鋭くないので写真を撮るならむしろ月が午前2時前に沈む12日早朝の方が良いでしょう。
流れ星が多く流れるのは午前1時〜4時ぐらいの間。基本的には早い時間は北東の方向から放射状に流れますが、実際に流れ星が見えるのは北東の方角とは限りません。寝ころんで真上を見上げているのが一番いいと思います。
一眼レフカメラと三脚をお持ちの方は28mmから50mmぐらいのなるべく明るいレンズを使い、絞りを開放か、一段絞った程度で5〜10分ずつ露出するといいでしょう。月が出ている間は露出を短めにしてください。写している方向で流れ星が流れたら、念のためシャッターを閉じた方がよいでしょう。
 ・8月15日 14:13
○満月
 ・8月29日 19:19
●新月


9月
 今月はちょっと中休み。ほとんど何もないです。
 ・9月14日
○満月
 ・9月19日 
ヒアデス星団を月が通過
おうし座にあるヒアデス星団は広く拡散しているので星団と言うより小さな星座の趣です。牡牛の角の部分にあたり、V字型に並んでいるのですが、この時期だとカタカナの「フ」のような向きです。赤いアルデバランがそばにあります。ちょうどこの時期そばに明るい木星や土星もあるので結構にぎやかです。ヒアデスはあまり明るくないので肉眼ではさびしいかもしれません。双眼鏡でも用意すると良いでしょう。
 ・9月28日
●新月


10月
 今月はジャコビニ流星群とオリオン座流星群があります。ジャコビニ流星群は常識的には今年ははずれ年なのですが、近年出現が不規則になってきているので注意が必要です。
 ・10月8日
ジャコビニ流星群極大
時折流星雨を降らせる流星群として知られています。その周期は約13年だったのですが、近年少しペースが崩れ、それ以外の年にも小規模な出現が見られるようになってきました。
流星群は彗星が放出した塵の軌道と地球の軌道が交差することにより起こるのですが、新しい流星群の場合は塵はその母体となった彗星の周囲に集まっています。そのために彗星が地球に近づく周期にあわせて出現数が増減するのです。ところが古い流星群になると母彗星の軌道上に一様に塵が分布するようになります。そうなるとその軌道と地球が近づく毎年同じ時期に流れ星が見られるようになるわけです。8月のペルセウス座流星群はその典型です。
ジャコビニ流星群は比較的新しい流星群なのですが、だんだん歳を取ってきて軌道上に塵が拡散し始めてきたのかもしれません。
そんなわけで、今年は大出現が予想される年ではないものの、要注意の流星群と言えます。
 ・10月13日
○満月
 ・10月21日
オリオン座流星群極大
オリオン座流星群はジャコビニ流星群と違い、毎年安定した出現があります。この流星群は出現数のピークがはっきりせず、この日だけでなく20日〜24日はピークとなる可能性があります。
数そのものは1時間あたり10個以上見込めるのですが、暗い流星が多いという特徴があるため、なるべく空の暗いところで見る必要があるでしょう。
暗い流星が多いながらも、時折かなり明るい火球が流れることもありますので十分楽しめるでしょう。
 ・10月27日
●新月


11月
 今月はしし座流星群。木星、土星も観望の好機。
 ・11月12日
○満月
 ・11月17日〜19日
しし座流星群極大
しし座流星群は33年周期で流星雨を降らせることで有名でした。その33年目に当たったのが1998年。予報では日本で流星雨が見られるはずでした。しかし結果はピークの時間がずれてしまいん、流星雨が見られたのはヨーロッパでした。
時折2年連続で流星雨が見られることもあるため去年も期待されましたが何とまたしてもヨーロッパで流星雨。さて、今年はどうでしょうか。
去年、一昨年と出現時刻を当てたアッシャ博士の予報では今年もまたヨーロッパで流星雨が見られる可能性が大きいそうです。そして、来年、ついに日本で見られるとのこと。
今年は日本で流星雨が見られる可能性は低いものの可能性は0ではありません。とにかく流星雨の予想は難しいのです。今年は週末に当たっているので遠出しやすいでしょう。
3日のうちどの日がいちばん可能性が高いかはまったくわかりません。ただ、ピークをはずしてもしし座流星群は明るい流星が多く、また1時間あたり数十個はほの確実に流れるので、ピークがはずれてもそれなりには楽しめると思います。見られるのはしし座が地平線より上にある23時ぐらいから夜明けまでです。昼間でも見えたという報告もあります。
 ・11月20日
土星が衝
衝と言うのは地球を挟んで惑星と太陽が180度反対側に来ることを言います。つまりこの時期はほぼ一晩中土星を見ることが出来るわけです。土星の輪を見るだけならかなり小さな望遠鏡でも大丈夫ですが、本体の模様や、輪の中にある筋を見るためにはそこそこの大きさが必要になります。出来れば屈折で口径76mm以上、反射なら10cm以上は欲しいところです。逆に慣れないうちはよほど大きい望遠鏡でないと細かい模様は見えてきません。倍率はそれほど欲張らなくても大丈夫。
 ・11月26日
●新月
 ・11月28日
木星が衝
土星に続き、こんどは木星。と、言うことはこの時期土星と木星は両方ともほぼ一晩中見られることになります。木星の場合は土星より大きく明るいためちゃんとした製品なら小さい望遠鏡でも縞を2本ぐらいは見ることが出来ます。木星は望遠鏡が大きくなるに連れて(倍率ではありません。倍率はその気になればいくらでも上げられますがどんどん暗くなりぼやけてくるだけです。有効に倍率を上げるためには口径の大きな望遠鏡が必要です)どんどん細かい模様が見えてきます。屈折で10cm以上、反射で15cm以上であればかなり楽しめます。
12月
 今月はふたご座流星群。月の条件が最悪ですが、毎年コンスタントに見ることが出来る流星群なので機会があったら夜空を見上げてみましょう。
 ・12月10日
月・木星・土星が集合
暗くなった夕方6時過ぎ、東の空には満月に近い大きな月が浮かんでいます。そのすぐ上にある明るい星が木星、右上に少し離れたところにあるのが土星です。月の下にある赤い星はおうし座のアルデバランです。
 ・12月11日
○満月
 ・12月14日
ふたご座流星群極大
13日の夜遅くから14日にかけて、ふたご座流星群が極大になります。この流星群は毎年1時間に20〜30の流れ星を見せてくれるのですが、今年はちょうど輻射点のすぐそばに満月に近い明るい月がいるためかなり悪条件です。しかし、流れ星はふたご座だけに見えるわけでなく、ふたご座の方向から流れるように見えるだけなので、月に背を向けるようにして見ていれば1時間に数個は見えると思います。
 ・12月26日
●新月




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